校正はおもりとして使用する分銅の正確性を出す作業

おもりの誤差を考慮するために必要

分銅は様々なものの重さを測るためのおもりですが、いつまでも安定した数値を出せるとは限りません。使用する環境によって、質量が変わってしまう恐れがあります。分銅はステンレスなどの金属でできていて硬いですが、使用していく内に摩耗してしまうものです。たとえ丁重に扱ったとしても、表面に小さい傷が入って、若干軽くなるのは仕方のないことです。また、逆に表面に汚れが付着して、重量がますことも考えられます。そうして生まれた質量の誤差は、当然測定結果に反映されます。そのため、誤差を含んでしまった測定結果は、信頼性がありません。したがって、誤差の分を排除した上で、測定結果を出さなければなりません。その際に必要となるのが、校正の作業です。

正確な値との誤差を確認する作業

校正とは、おもりとして使用している分銅の誤差が、正しい値と比較してどれだけあるかを調べることです。正しい値との誤差が判明していれば、測定した結果にその誤差を反映させることで、実質的に正しい値が割り出せるというわけです。間違われることが多いですが、校正はあくまでも誤差の確認のみであり、誤差をなくすための作業ではありません。誤差をなくすには、全く別の作業が必要となります。そして、正しい値を出すことができる分銅を、基準器といいます。誤差を確認すること自体は、基準器さえあれば、どこででも行うことができます。しかし、その基準器が本当に正しい数値を出せるのかという証明が必要です。そのため、実質的には、認められた基準器を持っている事業者しか、証明はできません。したがって、事業者に依頼をして誤差の確認をしてもらうのが基本となります。

国家基準器から派生した基準器を使用する

誤差を確認するために必要な基準器ですが、日本が持っている国家基準というものがあります。それが最も正確な数値で測定できますが、それを用いて校正を行うのは現実的ではありません。そのため、都道府県ごとに、国家基準を元にした2次基準器が存在しています。さらに、2次基準器は都道府県ごとの基準となっているため、2次基準器を元にした3次基準器が、実際の作業に使用されることが多いです。そうすれば、3次基準器に誤差が出たとしても、2次基準器を元に計測し直すことができ、国家基準を持ち出す必要がないからです。そして、3次から2次、そして国家基準まで辿ることができるのを、トレーサビリティと呼びます。このトレーサビリティが証明できれば、測定した重さに信頼性がでます。

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