1個あたりの費用は業者によって異なる
分銅は公称値やクラス、実施する業者によって費用の設定が異なります。JCSS校正の相場としては、公称値20kg1個あたりOIMLE2級相当で38000円程度となっており、これがクラス1レベルです。クラス2レベルでは、OIMLF1級・F2級相当ともに22000円程度ですが、JCSSではなくISO(一般)だと17000~18000円程度になります。クラス3レベルはOIMLM1級・M2級相当になり、JCSSでは14000円、ISO(一般)では12000円程度が相場です。公称値が10㎏や2~5kgなどに下がって行けば、費用もそれに合わせて下がって行くのが一般的です。ただし料金は各社設定がありますし、出荷前やまとまった件数での割引、現地実施サービスなどもあるため、事前に確認してください。
JCSSロゴマークつき基準分銅
JCSS分銅は、JCSSロゴマークつき証明書のあるものを指します。JCSSはJapan Calibration Service Systemの略で、認定事業者だけがロゴマークつきの証明書を発行できるようになっています。認定事業者は国に代わって検査を実施できる機関であり、厳格な審査をとおらなければ認定されません。こうした機関はロゴマークつき証明書をもつ基準分どうを所有しており、それを使って証明書を発行しています。ちなみに平成5年の計量法改正で、一般の事業所は基準器検査は受けられなくなりました。つまり現在基準分どうを所有しているのははかりメーカーや検査所など限られた事業所のみであり、一般事業所は所有することはできなくなっています。JCSS分銅は、それそのものが基準なため、トレーサビリティは不要となります。
はかりの性能に見合う等級とクラスを
分銅の等級は最大許容誤差に応じてJIS7609:2008により定められており、20㎏ならE2級で±30mg、F1級なら±100mg、F2級なら±300mgまでとなっています。もちろんより精緻なクラスを使用すればそれだけ精緻な測定結果を出すことができますが、精度を高めれば高めるほど費用がかかることは事実です。そのため、闇雲に高い校正クラスを指定するのではなく、あくまで自社に適したランクを選ぶことが重要です。基本的には、はかりの性能に見合う等級を選び、適したクラスで検査をおこなうのがよいでしょう。ただし、組み合わせによってはひとつ上のランクにならざるを得ない場合もありますので、あらかじめ校正業者と細かく打ち合わせが必要です。例えば1kgの検査ならF2級でよいところが、6kgの検査になると他のものとの組み合わせが必要となり、F1級が必要となる場合があります。